中部国際空港(セントレア)には、世界で初めて製造されたボーイング787の飛行試験初号機「ZA001」を間近で見学できる施設「フライト・オブ・ドリームズ(FLIGHT OF DREAMS)」があります。実際に飛行していた大型旅客機を間近で見られるほか、コックピットの見学や航空関連の展示、ボーインググッズのショッピング、飲食なども楽しめる複合商業施設です。今回は、実際にフライト・オブ・ドリームズを訪問してきましたので、施設の見どころやボーイング787初号機の展示、館内の設備、アクセス方法などを写真とともに詳しくご紹介します。
フライト・オブ・ドリームズはどんなところ?
フライト・オブ・ドリームズは、2018年10月12日に開業した、ボーイング787初号機の展示を中心とする複合商業施設です。館内には、実際に飛行していたボーイング787を見学できる「フライトパーク」と、ボーイング創業の地であるアメリカ・シアトルをテーマにした「シアトルテラス」が設けられています。フライトパークでは航空機の構造や航空業界について学べるほか、小さなお子さん向けの遊具も充実しており、航空ファンから家族連れまで幅広い方が楽しめる施設となっています。

館内は3階建てで、1階にはボーイング787の展示エリアや航空グッズショップ、2階には飲食店などが集まるシアトルテラス、3階にはスターバックスなどがあります。各階から展示機を見渡すことができ、異なる高さや角度からボーイング787の迫力を楽しめるのも大きな特徴です。

館内は全体的に明るく、飲食店や休憩スペースも充実しています。2階のシアトルテラスは、シアトルの街並みをイメージした落ち着いた雰囲気となっており、食事を楽しんだり、椅子に座ってゆっくり過ごしたりすることができます。施設全体が屋内にあるため、雨の日や暑い日、寒い日でも天候を気にせず楽しめる点も魅力です。

営業時間・入場料金・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名称 | フライト・オブ・ドリームズ(FLIGHT OF DREAMS) |
| 所在地 | 愛知県常滑市セントレア1-1 |
| 営業時間 | フライトパーク 10:00〜17:00/シアトルテラス 10:00〜18:30 |
| 定休日 | 年中無休 |
| 入場料金 | 無料(一部遊具・体験は有料) |
| 展示航空機 | ボーイング787飛行試験初号機(ZA001) |
| 主な施設 | フライトパーク、シアトルテラス、航空グッズショップ、飲食店、キッズエリアなど |
| アクセス | 名鉄中部国際空港駅から徒歩約5分 |
| 駐車場 | セントレア公式駐車場P3が最寄り(徒歩約2分・有料) |
| 公式HP | https://www.centrair.jp/flight-of-dreams/ |
※営業時間は店舗によって異なります。また、イベントや施設の都合によって変更される場合があるため、訪問前に公式ホームページをご確認ください。
ボーイング787初号機「ZA001」を間近で見学!
フライト・オブ・ドリームズの最大の見どころは、施設の中央に展示されているボーイング787の飛行試験初号機「ZA001」です。ボーイング787は、機体構造の約50%に炭素繊維複合材を採用するなど、従来の旅客機から大きく進化した航空機として知られています。展示されているZA001は、2009年12月15日にアメリカのペインフィールド空港で初飛行を行い、その後、機体の性能や安全性を確認するための飛行試験に使用されました。2015年6月22日にアメリカのボーイングフィールドからセントレアへ最後の飛行を行い、同年7月7日にボーイング社からセントレアへ寄贈されました。
では、なぜボーイング787の初号機がセントレアに展示されているのでしょうか。その理由には、中部地方とボーイング787の製造における深い関わりがあります。ボーイング787の機体構造の約35%は中部地域で製造されており、主翼や胴体の一部などはセントレアから特殊貨物機「ボーイング747LCF(ドリームリフター)」によってアメリカの最終組立工場へ輸送されています。こうしたボーイング社と中部地域のつながりから、飛行試験を終えたZA001が、いわば「里帰り」という形でセントレアに寄贈されることとなりました。

実際に展示機を目の前にすると、普段空港で見ているボーイング787とはまったく異なる迫力を感じます。私がフライト・オブ・ドリームズを訪問するのは今回で2回目でしたが、何度見てもその大きさには圧倒されます。展示機は飛行試験当時の特徴的な青と白の塗装をまとっており、航空機の歴史を感じられる非常に貴重な展示となっています。
1階「フライトパーク」の展示・見どころ
フライトパークの入口と見学時の注意点
ボーイング787初号機を間近で見学できるのが、施設1階にある「フライトパーク」です。入口は航空グッズショップ「LUXURY FLIGHT」の近くにあり、入場料金は無料となっています。入口付近には待機列を作るための線も設けられており、混雑時には入場まで時間がかかる場合があります。私が訪問したのは2026年9月の平日でしたが、この日は比較的空いており、ゆっくり見学することができました。

フライトパーク内では写真撮影が可能ですが、三脚や自撮り棒の使用は禁止されています。また、入口付近には無料で利用できる簡易ロッカーが設置されており、見学の際に手荷物を預けることもできます。ただし、ロッカーには数やサイズの制限があるため、大型のスーツケースなどは入らない場合もあります。なお、施設3階には有料のコインロッカーも設けられています。館内での撮影や見学は、周囲の方の迷惑にならないようルールを守って楽しみましょう。

フライトパークに入ると、目の前には巨大なボーイング787が展示されています。床面には滑走路をイメージしたデザインが施されており、「18」という滑走路番号も描かれています。実際の空港に航空機が駐機しているかのような雰囲気を楽しむことができ、入場した瞬間から特別な空間が広がっています。

航空業界の仕事や機内設備に関する展示
フライトパークでは、ボーイング787初号機だけでなく、航空機の仕組みや空港で働く人々について学べる展示も充実しています。パネルや映像を通して航空業界の仕事が紹介されているほか、実際の航空機の座席を見学できるコーナーなども設けられています。今回訪問した際には、JALの国内線ファーストクラスやクラスJの座席を展示したスペースもありました。航空機そのものの見学だけでなく、こうした展示にも目を向けると、航空業界についてさらに理解を深めることができると思います。

本物のボーイング787のコックピットを見学!
フライトパークで特におすすめしたいのが、ボーイング787初号機のコックピット見学です。こちらでは、展示機に設けられた専用の入口から機内に入り、実際のコックピットをガラス越しに見学することができます。見学スペースには待機列が設けられており、混雑時には順番待ちが発生する場合があります。

コックピットへは、機体に設置された専用の階段を上がって向かいます。一般的な旅客機では左側のドアから搭乗することが多いため、普段とは異なる右側の入口から機内に入るのは新鮮な体験でした。

機内に入ると、目の前にはボーイング787のコックピットが広がっています。実際に操縦席へ座ったり機器を操作したりすることはできませんが、ガラス越しに操縦席の様子を見学できます。コックピット内部には大型ディスプレイやさまざまな操作機器が並んでおり、普段は見ることのできない航空機の内部をじっくり観察できました。

コックピットの周辺には、操縦に使用する機器やその役割についての解説も設けられているため、航空機に詳しくない方でも楽しみながら学べる内容となっています。また、コックピットの後方には、この機体が飛行試験を終えてセントレアへ帰ってきたことを伝えるメッセージも展示されています。なお、見学できるのはコックピット付近に限られており、客室の奥まで進むことはできません。

見学を終えて階段を降りる際にも、普段とは違った角度から787の機体を眺めることができます。特に機体の下から見上げると、その大きさや構造を改めて実感することができました。
タイヤやエンジンなど、普段は見られない部分も観察できる
フライトパークでは、航空機のタイヤや着陸装置なども非常に近い位置から見学できます。通常の空港では、航空機の足元まで近づく機会はほとんどありませんが、こちらでは実際の大きさや構造を間近で観察できます。特に主脚のタイヤは想像以上に大きく、機体の重量を支えるための頑丈な構造が印象的でした。

また、機体の側面に回ると、ボーイング787の長い主翼や特徴的なエンジンを近くで見ることができます。普段、空港の展望デッキなどから見ている航空機とは違い、地上から機体全体を見上げることで、その大きさをより強く感じられました。

エンジンも間近で見学でき、普段はなかなか観察できない細かな表示や構造を確認できます。特に印象的だったのが、エンジンの外側に描かれた赤いラインや警告表示です。実際の機体には、エンジンの運転中は危険区域に近づかないよう注意を促す英語の警告文が記載されています。ジェットエンジンは運転中に周囲の空気を強く吸い込むため、吸気口付近などは非常に危険な場所となります。こうした安全に関する細かな表示まで確認できるのも、実機展示ならではの魅力です。

小さなお子さんも楽しめるキッズエリア
フライトパークには、航空機の展示エリアに加えて、0歳から12歳までのお子さんを対象としたキッズエリアも設けられています。飛行機を身近に感じながら遊べるさまざまな遊具が用意されており、子どもたちが楽しみながら航空機に親しめる施設となっています。館内にはお子さん連れの家族も多く、航空機の見学だけでなく、家族でゆっくり過ごせる場所としても魅力的だと感じました。なお、一部の遊具は有料となっています。
ボーインググッズが充実した「LUXURY FLIGHT」
フライト・オブ・ドリームズの1階には、航空グッズを豊富に取り扱うショップ「LUXURY FLIGHT」があります。こちらでは、アメリカ・シアトルから直輸入したボーイングの公式グッズをはじめ、航空会社のグッズや飛行機に関連した雑貨などが販売されています。以前この場所にはボーイングストアがありましたが、2023年12月からは「LUXURY FLIGHT」として営業しています。

店内にはボーイングのロゴが入った衣類や雑貨などが数多く並んでおり、航空ファンにとっては見ているだけでも楽しめる品ぞろえとなっています。今回、特に印象に残ったのが、ボーイングのロゴが入った蛍光イエローの安全ジャケットです。こうした航空機メーカーらしい商品は、一般的な土産物店ではなかなか見かけないため、とても魅力的に感じました。

このほかにも、ボーイングのオリジナルTシャツやステッカー、キーホルダー、機体をモチーフにしたグッズなど、さまざまな商品が並んでいました。ボーイング関連の商品をまとめて見られる店舗として、国内では貴重な存在だと思います。

なお、LUXURY FLIGHTでは航空グッズの販売だけでなく、ボーイング787やドリームリフターなどのフライトシミュレーター体験も提供されています。シミュレーターは有料で、利用条件や料金は店舗の公式案内をご確認ください。
私は以前、アメリカ・シアトル近郊のペインフィールドにある「Boeing Future of Flight」も訪問し、現地のボーイングストアを見学しました。こちらはボーイング公式ストアの旗艦店となっており、本場ならではの豊富な品ぞろえが魅力です。価格面ではアメリカの店舗の方が手頃に感じられる商品もありましたが、日本国内でこれだけ多くのボーインググッズを見られるのは、フライト・オブ・ドリームズならではの魅力だと思います。シアトルのボーイングストアについても、別の記事でご紹介しておりますので是非ご覧ください。

シアトルテラスの飲食店とスターバックス
フライト・オブ・ドリームズには、ボーイング787の展示だけでなく、飲食店やカフェも充実しています。2階を中心に広がる「シアトルテラス」は、ボーイング創業の地であるシアトルをテーマとしたエリアで、食事やショッピングを楽しめる空間となっています。実際に訪問した際には、小さなお子さんを連れた家族や友人同士で訪れている方も多く、落ち着いた雰囲気の中でゆっくり過ごせる場所だと感じました。
また、3階には「スターバックス コーヒー 中部国際空港FLIGHT OF DREAMS店」があります。スターバックスはシアトルで創業したコーヒーチェーンであり、ボーイングと同じ街にゆかりのある企業です。こちらの店舗では、ボーイング787の展示機を眺めながらコーヒーや季節限定のドリンクなどを楽しめるのが大きな魅力です。

空調の効いた屋内で、本物のボーイング787を眺めながらゆっくり過ごせるというのは、なかなかできない体験だと思います。特に夏や冬、雨の日でも快適に過ごせるため、空港での待ち時間を楽しみたい方にもおすすめです。
フライト・オブ・ドリームズへのアクセス
フライト・オブ・ドリームズへは、セントレアの第1ターミナルや名鉄中部国際空港駅から徒歩でアクセスできます。今回は、第1ターミナルの国内線・国際線チェックインカウンターがある3階出発ロビー付近を出発点として、フライト・オブ・ドリームズへ向かうルートをご紹介します。
まず、第1ターミナルから名鉄中部国際空港駅やアクセスプラザの方向へ進みます。ターミナル内には駅や駐車場などの案内表示が設置されているため、それらを目印に移動しましょう。

途中には「FLIGHT OF DREAMS」と書かれた案内表示も設置されています。今回の写真ではピンク色の枠と矢印で示しているので、こちらを目印に進んでください。

そのまま道なりに進むと、中部国際空港駅に隣接する広いアクセスプラザに到着します。こちらでは「第2ターミナル」と書かれた案内が目印になりますが、その下にはフライト・オブ・ドリームズの方向も示されています。案内表示に従い、青い矢印の方向へ進みましょう。

続いて、案内に従って第2ターミナル方面へ進むと、屋外の連絡通路へ向かう出入口が見えてきます。こちらから外へ出て、引き続き案内表示に従って進みます。

屋外に出ると、緑色の床が特徴的な長い連絡通路が続いています。通路には動く歩道も設けられているため、徒歩でも比較的快適に移動できます。この通路を突き当たりまでまっすぐ進みましょう。

しばらく進むと、進行方向の右手にフライト・オブ・ドリームズの建物が見えてきます。建物の外壁には大きなボーイング787が描かれており、遠くからでもわかりやすい目印となっています。

動く歩道のある通路を最後まで進んだら、案内表示に従って右方向へ曲がります。ここまで来ればフライト・オブ・ドリームズはすぐ近くです。館内の案内表示を確認しながら進めば、迷うことなく到着できると思います。

なお、公式サイトによると、名鉄中部国際空港駅からフライト・オブ・ドリームズまでは徒歩約5分となっています。自動車で訪れる場合は、セントレアの公式駐車場「P3」が最寄りとなり、駐車場から徒歩約2分でアクセスできます。フライト・オブ・ドリームズは飛行機に搭乗しない方でも利用できるため、航空機の見学やショッピングだけを目的に訪れることも可能です。
実際に訪問して感じたこと・おすすめポイント

今回、フライト・オブ・ドリームズを訪問して最も印象に残ったのは、やはりボーイング787初号機を間近で見学できることでした。普段、空港の展望デッキなどから見ている航空機とは異なり、機体のすぐ近くまで歩いていくことで、翼やエンジン、タイヤなどの大きさを実感できます。今回で2回目の訪問でしたが、何度来てもその迫力には圧倒されます。
特にコックピットをガラス越しに見学できることや、航空機の構造を間近で観察できることは、航空ファンにとって非常に貴重な体験だと思います。また、航空業界の仕事を紹介する展示も充実しているため、飛行機にあまり詳しくない方でも楽しみながら知識を深められる施設となっています。
そして、何より魅力的なのは、これほど貴重な航空機を無料で見学できることです。館内には子ども向けの遊具や飲食店、航空グッズショップなども充実しているため、小さなお子さん連れの家族から大人まで、幅広い方が楽しめると思います。すべて屋内にあるため、天候に左右されず過ごせる点も大きな魅力です。
フライト・オブ・ドリームズは、セントレアでの飛行機の待ち時間を利用して立ち寄るのはもちろん、施設そのものを目的に訪れる価値も十分にある場所だと感じました。セントレアを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

